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先見経済という雑誌に、私の記事が出ました。

沢山の取材を受けてきました。

記者の皆さんは、どなたも頑張っています。

その中で、先見経済の編集長さんは特に、私が言いたい事を書いて下さったので、ご紹介したいと思います。

16枚の写真と、4ページにわたる、少し長いインタビューですが、お時間がございましたら、読んで頂けると嬉しいです。

先見経済-2

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動物の命を守れ
警戒区域に生きる松村直登の闘い

東京電力福島第一原発からわずか12kmの福島県富岡町(警戒区域)に1人留まり、残された動物の保護活動を続ける松村直登氏。松村氏はなぜ放射線被ばくという命の危険を冒してまで、犬猫や家畜の保護活動を続けるのか。活動開始から2年余り、国や東電原発への怒り、現状を報道しないメディアへのやるせなき思いを胸に、松村氏が今見つめるものとは-。インタビューを通して、終わりなき闘いの一端に触れる。


原発事故を知らないペットや家畜を保護

-震災から2年が経ちました。
地元(福島県富岡町)の状況はいかがですか?

松村 俺以外には誰もいないんだから何も変わらないよ。
隣の楢葉町では除染らしきことをやっているが、今の科学・技術では除染は無理だ。「復興してまたこの土地に住める」と、国は避難した人たちに期待を抱かせるようなことを言うが、もう2年だ。この間にも高齢者は仮設住宅でどんどん亡くなつている。俺も最初は復興したら以前と同じょうに暮らせると考えていた。が、今は価値観が変わった。国は税金を使うパフォーマンスの除染よりも誰もが納得できるだけの補償をしろ。東電も補償が済まないうちから国に借金して、電気料金を値上げしてボーナスや退職金を出しているのは泥棒と同じだ。補償をもらって他の土地で暮らしたい人は移ればいいし、地元に帰りたい人は帰る。放射線の影響があるから妊婦と子どもは来ないほうがいいが、高齢者が人生の最期を自分の家で迎えたいというのはわがままじゃないだろ?

-2011年4月22日、福島第一原発から半径20km圏内が書戒区域に指定されました。
なぜ立ち入りが禁止されたこの場所で動物の世話をしようと決めたのですか?


松村 俺は農家の生まれで子どものころから犬猫や牛が好きなんだ。震災直後から置いて行か
れた犬や猫にエサと水をやっていたが、犬だけでも50匹近くいて、猫はもっといた。警戒区域になつた時点でみんな町から出て行っちゃったから、動物からすれば突然人がいなくなって、それが原発のせいだとも分からない。そのころ全身防護服の兄弟と姉が「こんなところにいたら死んじまうベー」と訪ねてきて、家族会議の結果、両親は町を出ることになったが、俺は残って動物を守ることにした。違法だと分かってるが、生まれ育った町も動物の命もそう簡単に見捨てられないだろ?

-なぜ家畜の世話も?

松村 ある日牛小屋の前を通ると何も食べていない痩せた牛がいて、普段は糞尿まみれの地面
が、小便も出ないから乾燥している。産まれたての子牛がおっぱいを飲むために親の元へ行く
と、親も出ないのが分かってるから後ろ足で蹴る。子牛は3度も蹴られると諦めて、牛小屋のロープの端をおっぱい代わりにくわえ始めたんだ。見ていられなかったな……。もう子牛は産まれないでくれと思ったよ。その親子は数日後に死んだ。警戒区域になる前、動物愛護団体が家畜を放したときも、牛は青草を食べてみるみる太っていく。俺は役場で「去勢してない牛が自然交配したら山ほど増えちまう。川を挟んで柵をつくつてくれ。雄雌を分けて、そこで餌づけするから」と頼んで了解を取ったのに、菅直人元総理が指示したのは家畜の殺処分だった。それで行政と喧嘩になつて、俺が面倒を見ることにしたんだ。それでも20km圏内に約3000頭いたうちの1000頭以上が殺されて、飼い主が泣く泣く殺したのもいる。今は柵で分けているが、1人で面倒を見るには限界がある。牛の死骸は白骨化して牛小屋に残ったままだ。

怒りと呆れるばかりの東京電力本店の対応

-原発事故が起こった後、東電や国の説明は「安全」を繰り返す嘘と責任逃れの言い訳ばかりでした。震災後の4月には東京にある東電本店にも行かれたそうですね。

松村 震災で人生を失い、家族も出て行き、土地や家はあっても価値はない。命以外ないと思ったときに、東電への怒りしかなかった。あいつらは嘘つきだ。原発を停めても電力はあるのに計画停電をしたり、何百年かかるか分からない福島第一原発の終息に向けて30~40年だと言ったり。適当にそれらしい数値を入れて誤魔化すな。4月12日に東電本店で、「人間、ペット、家畜すべて被害者だ。おまえらにも面倒を見る責任があるだ
ろー」と怒鳴ったら、当時の対策本部長は「東電は一切手出しできないし、金銭的な援助もできない」だと。「俺はもう完全に内部被ばくをしているから死んだら死んだで構わない。おまえらに検体させるから、切ったり貼ったり好きにしろ」と言ったら、なんて答えたと思う?「貴重な資料になるでしょうね」だと。本人を目の前にして言うか? ぶん殴ってやろうかと思ったよ。海外支援者の手紙を持って行ったときも、「おまえらが支援しなくても海外の支援者はこんなにいる。これを読めるか。英語を訳してみろ」と言えば、「私英検1級ですから」だぞ。事故は起こらないと洗脳されて原発の内部で送電工事をしていた東電の作業員は、爆発をミサイルだと勘違いして逃げたそうだ。この話のときも、「うちにもバカはいますから」だとよ。本店は何様のつもりだ。人を人として見ていない。こんなだから原発事故は起こるべくして起きたんだ。

日本の原発は失敗
再稼働には断固反対


-原発のエネルギー利用についてはどう思われますか。「プルトニウムは重いから飛散しない」「プルトニウムは飲んでも安全」と話す兼大学者たちは国内外から批判を浴びましたが。

松村 日本は動燃も原燃も失敗した。今回原発事故を起こしてまだやるのか? 失敗は成功の
元じゃない。学習しろ。それに使用済み核燃料はどうする? 日本はミャンマーやベトナムで原発の開発を進めているが、事故が起きて緊急停止できなかったら誰が責任を取るんだ。中国もそう。日本海に捨てればいいという話になる。俺は原発の建設工事にもかかわったことがあるから分かるが、配管は内部に月や海藻が付着するから穴が狭くなる。壊れると交換するが、工事のとき建物内は配管から漏れ出した汚染水で水浸しだ。今回は津波ではなく地震で配管が壊れた。原発の修復作業は何次請けもあって日給数千円の作業員がいる。でも楢葉町の除染作業は危険手当と最低賃金を合わせて1万6000円。これじゃみんな馬鹿らしくなつて建物の外に出ちまう。結果的に高齢者
やおかしな作業員しか集まらないからまともな修復作業ができない。メルトダウン前に原子炉の圧力容器のベントや注水ができれば被害を抑えられただろうが、東電は1機の廃炉にかかる5000億円を惜しんで、人よりも原子炉を守ったんだ。これを決定した民主党政権もろくなもんじゃなかった。

-自民党に政権交代してからはいかがですか。今年2月に安倍晋三総理夫人の昭悪さんが富岡町を訪れましたが。

松村 自民党の原発再稼働推進には断固反対だ。ただ政権交代してから補償が進み始めた。昭
恵さんは2月4日~5日と富岡町に来て、牛の柵のなかでエサをやったり、仮設住宅や小学校、集会所を回って地元の人たちと話して、うちで飯を食って壁にサインをくれたよ。みんなまた頑張ろうという気持ちになったと聞いて嬉しかったな。歴代の総理夫人には考えられない行動だ。「福島の復興なくして日本の復興はない」と票集めに騒ぐ政治家たちも現地に来て、この悲惨な状況を世間に伝えろ。政府の復興施策には10年後、20年後のビジョンがない。津波だってそうだ。高さ10mの堤防で津波を防げなかったのに、また何十kmの堤防を造るのか。自然に勝とうとしても勝てないなら、ともに生きる道を考えるべきなんだ。放射線の半減期を迎えたらこういう復興をと示せなければ、いくら除染をしても意味はない。現に収束に向けて動き出しているはずが、ネズミ1匹で大変な騒ぎになるだろ。

国内メディアは沈黙
事実は海外の報道から


-原発事故の危険性については、海外メディアが報じるまで、国内メディアは沈黙していました。メディアに対する思いは?

松村 海外メディアの報道やネットがなければ事実は表面に出てこなかった。俺も最初に町で偶然会って、道端で5分程度の取材を受けたのがAP通信の外国人のシニアディレクターだった。最近まで電気が通っていなかったから放送された内容は知らないが、そのニュースをBBCやCNNが見て取材が来るようになり、昨年2月には日本外国特派員協会で記者会見も開いた。日本のメディアは最初からダメだったな。震災のとき100歳の祖母が入院中で、強制避難で病院をたらい回しにされているうちに衰弱して亡くなったのが4月29日。俺はテレビ福島の知人に、「東電に殺された。火葬するから取材してくれ」と連絡すると、東電に関する話は全部カットだと。ある有名な女性キャスターなんかは、取材を受けるのが当然という態度で来た。割と早い時期、11年末に郡山で受けた毎日新聞の記事への反響がすごくて、2度目をやろうとしたら記者が勘弁してくれと。これもスポンサーの関係だろうな。

-原発事故直後は、「人体に直ちに影響はない」とする政府発表や東電発表前は、メルトダウンという言葉すら不安を煽ると使用に制限がかかりました。原発批判でテレビやラジオ番組を降板した方もいます。ところがメルトダウンは実際に起こっており、放射性物質の拡散を予測するSPEED-数値を早期に公開せず、多数の地域住民を
被ばくさせています。


松村 なら、なんぼ漏れたら直ちに影響あるんだって。俺もメディアからよく言われるもの。
「松村さんがここに残らなかったら、真実の情報は出なかった」って。今はテレビや週刊誌でも活動が紹介される。取材を受けると殺されるかもしれないと思っていたが、ある記者が「有名になれば何もできない。何度でも記事を書くから大丈夫」と言ってくれたよ。それでも人々の関心がだんだん離れてるのを感じる。前は写真展を開けば人々は立ち止まって涙を流してくれたが、素通りする人が増えた。外国の出来事みたいになってるんだな。いつか原発や動物の問題もみんなの記憶から薄れていく。でも被災地の苦しみは変わらない。この事実を発信するのがメディアの責任だろう。

-松村さんは、これからも警戒区域で動物の保護活動を続けていきますか?

松村 それしかないだろ。もうやめられない。原発問題はこの先、数十年、数百年と続く。NPO法人がんばる福島を立ち上げて支援も集まりやすくなったが、支援金を配分していた緊急災害時動物救援本部からは、「松村さんは家畜を保護しているから」という訳の分からない理由で1円も支援が受けられなかった。俺は犬や猫も保護しているのに、残り2億円はおまえらのものか。他の団体もそうだ。全国各地から何億円もの寄付が集まってきても、何に使っているんだ? 1億円消えても調べようがないし、調べる奴もいない。この先この活動を続けるのに1人では限界が来るから、資金面や技術面で正直みなさんに助けてもらいたい気持ちはある。良識ある識者の力添えも欲しい。今は国や東電に対してどう反対行動をしているわけじゃない。俺は残された動物を守ることでここで静かに闘っているんだ。

取材・文▼本誌 大澤義幸さん(先見経済 編集長) 

先見経済(SENKEN KEIZAI)2013年6月1日号

発行 清話会 電話 03-6402-3882

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